2014年12月8日月曜日

介護職の給料は「今後もずっと上がらない」と思う理由(編集中)



介護職の給与が上がらない理由。
経営者優位の状態がこの先も続いていくから。







経営者の目線からその1。
まずは非介護人「お客様」。

非介護人は溢れている。
お客様は溢れ返っている。

1秒でも早く預けなければ仕事にいけない、というような状況の介護人が溢れている。
そういう人たちには介護に質を求めている余裕など、はっきりいってない。
とにかく預けたい。
そうしないと自分自身が社会生活が送れない。

そういう人たち向けに、わざわざ質の良い介護サービスを提供する必要はない。
預けられればそれで満足という人たちがたくさんいるのだから、付加価値など提供するどおりがない。


経営者の目線からその2。
従業員の質。

お客様は溢れ返っている。
たとえどんな劣悪なサービスを提供しようとも、
いますぐにでも介護施設を利用しなければならない状況にいる人たちはたくさんいる。
とにかくなんでもいいから預けたいというニーズが多いところにわざわざサービス(従業員=介護職)の質を高めようとは思わない。
だから給与を高く設定して質の良い従業員を使う必要は、ない。


その1、その2をまとめる。
非介護人(お客様)をどうにか預けたいと考える介護人(お客様)が溢れていれば、
わざわざ質の高い介護サービスを提供しなくてもお客様は向こうからやってくる。
そして、質の悪いサービスを提供していてもお客様が溢れているのだから従業員の質(≒サービスの質)を上げる必要がない。

最低賃金レベルで雇える人材を使っても十分に商売として成り立ってしまう。
だから、介護職の賃金給与はあがらない。あげる必要が無い。

「待機老人」が増えるほどに、介護職に求められる質は下がっていく。
質が低くても成り立つサービスに高給を出そうとする経営者はいないだろう。





付け加えるのなら、労働生産性の低い業種にしか付けない人材はいつの時代も一定数いるので給料が低くても介護職にしか付けない人たちも一定数出てくる。
わざわざ高い給与を設定する必要はない。

労働性差製の低い業種は、
「あなたが不満を口にするなら他の人はすぐに見つかる」確率が極めて高い。



ケアマネージャーになれば介護保険の分配という仕事が許されるようになる。
貴重な戦力になる。
しかし、たかだか介護福祉士では一般の人と許されることは変わらない。
一般人にゆるされなくて介護福祉士に許されている介護行為はない。
できるかどうかではない。
許されているかどうか。

介護保険の分配という業務はケアマネージャーにならないとできない。
介護暦5年の一般人にはできない。
しかし介護暦3年の一般人と介護福祉士とで非介護人に当てることが許されている介護行為なんてものはそんざいしない。


スキルは介護福祉士の方があるのかもしれない。
しかし、資格が保障してくれる権限において介護福祉士と一般人に違いはない。

「服を脱げない人の服を脱がせて着せる」
「寝たままのシーツ交換」

これらのスキルは介護福祉士の方が上かもしれない。
しかし、国から行政から、
「介護福祉士の資格が無いとこういうレベルの介護行為をしてはいけません」という権限は介護福祉士には与えられていない。
一般人にも全ての介護行為が認められている。




限定的な権限ない資格にはお金は払われない。
給与も高くする必要が無い。
なぜなら、資格があってもなくても何も変わらないから。








2014年12月介護報酬が引き下げられることが決定された。
介護報酬の増減は介護職の給与には、ほぼ反映されない。
介護事業の経営者には影響はあるのかもしれない。
しかし介護業界の従業員である限り、介護報酬の増減と従業員の給与の増減は相関も比例もしない。

その理由も上記が一旦。




 

■社会福祉法人の財務諸表問題


長谷川「保育士の賃金が安過ぎる。社会福祉法人に出している補助金がちゃんと保育士さんに払われているのか?代表のポケットに行ってるんじゃないか?」
アナ「それらは介護士にも同じことが言えるんじゃないか」
https://twitter.com/uganda_/status/429330446506131456


 それから、社会福祉法人の財務公開について。

 規制改革会議の要望を受けて、厚労省は「すべての社会福祉法人について2013年度以降の財務諸表を公表する」「公表が効果的に行われるための具体的方策について13年度中に結論を得て、14年度当初から実施する」という方針を決めた。

 さらに「12年度の財務諸表も公表するよう社会福祉法人に周知指導し、その取り組み状況を調査し、規制改革会議に報告する」「(都道府県など)所轄庁のホームページにも公表するよう協力を要請し、所轄庁の取り組み状況について調査、会議に報告する」とした。

 認可保育所の設置主体は社、会福祉法人である場合が多い。
 その社福には、補助金の形で税金が投入されている一方、法人税などが免除されている。税金面で優遇されているのは、社福が利益を社会に還元する建前になっているからだ。
 ところが、肝心の財務諸表はといえば、自主公開に任されている。

 これでは本当に利益が社会還元されているのかどうか、国民はチェックのしようがない。
 だから、財務諸表の公開が重要になる。

同族や家族経営の多い社会福祉法人こそ財務諸表を公開せよ

 社会福祉法人は実態として同族や家族経営が多く、事業の裏側には営利目的の企業があったりする。「ばく大な内部留保を溜め込んでいる」という指摘もある。

 そうなると、社会還元どころか「実は個人的な利益追求が優先されているのではないか」という疑惑が生じる。

 「そうではない」というなら、まず社会福祉法人自ら率先して財務諸表を公開すべきだ。

 彼らが「利益優先」と主張する株式会社は、上場企業であれば財務諸表を公開し、公認会計士による監査も受けている。
 税金優遇を受けているのだから、企業並みどころか、それ以上にもっと透明にすべきではないか。

 財務諸表の公開問題は、奥の深い所で「保育士不足問題」にも絡んでいる。
 それは、こういう事情だ。

 まず「保育所だけを増やしても、保育士が足りないから問題解決にならない」と指摘がある。だから、規制改革会議は保育士が増えるように、保育士資格試験で合格した科目の再試験免除期間を、3年から5年に延長するなど緩和策を提言した。

 それはもちろん大事だ。
 だが、実は保育士の免許を持っているのに、実際には保育所で働いていない「潜在保育士」が60万人以上もいるという推計がある。
(厚労省資料はこちら。PDFファイルです)

 彼ら彼女たちは、なぜ資格があるのに働いていないのか。

保育士の給与が低いのはオーナーの取り分が多いから

 理由の1つが、給料の低さである。それは4月1日の会議で議論になった。

 参考人「社会福祉法人の場合は人件費率が高いと言いながら、そこに占めるオーナーの取り分が高い。一般職員の人件費は株式会社でも社会福祉法人でも変わらない」

 委員「私はある会社の社外役員をやっていたが、そのときの経験で保育士は大変な仕事の割に待遇は低いと知った。すると運営費に占める(会社と社福の)人件費の差は保育士の給与の差ではなく、それ以外の方の人件費と理解していいか」

 参考人「それだけではないと思うが、大半はそういう要素が強い」

 別の参考人(大学教授)「私立の保育所で重要なのは肩たたき。『そろそろいいお婿さんがいるよ』と言って、早く辞めてもらう。それが人事管理の要諦。非常にいびつで人件費を歪めている構造がある。差額はどこにあるのかといえば、他のところでとっているのはあきらかと思う」
http://ch.nicovideo.jp/gendai/blomaga/ar258568


特別養護老人ホームや保育園などを多く運営する社会福祉法人(社福)を理事長が勝手に売り、多くの利益を得る例が相次いでいる。本来は福祉のための「非営利団体」で、個人が売買してはいけない。背景には、介護保険からの報酬や補助金をねらって社福を私物化する動きがある。
税金を食い物に 売買めぐりトラブルも
特集:報われぬ国
 「3億円で理事長ポストを買わないか。何回かに分けて現金で払えばいい」
 山口県下関市の会社社長(69)は2010年6月、横浜市の「朝日の里」の当時の理事長(75)からこう持ちかけられた。障害者施設などを運営する社福だ。
 「もう年だし、やめるつもりだ」という理事長は、数億円にのぼる朝日の里などの預金通帳を見せてこう言ったという。「理事長に就いたら自由に使える」「理事を身内にすれば、理事長を引き継ぐという形で決められる。現金でもらえば売買は表に出ない」
 この話は折り合わなかった。すると売却話は仲介者を通じて形を変え、東京都内の税理士と始まった。
 「朝日の里への参入及び継承プロジェクト」。そう記す資料には3段階の売却シナリオが描かれている。
 ①税理士が理事長側の希望する土地を所有する②税理士は4千万円を払い、(理事長側は)法人の理事1人、評議員2人の職を提供する③税理士が最後に1億円を払い、(理事長側は)理事長と理事2人、評議員1人の職を提供する。
 税理士は11年8月に理事になり、前後して6千万円が渡った。だが、その後の約束は実行されず、理事長になれないまま。そこで今度は税理士が金を回収しようと、社福の売却話を持ちかけて回っている。
 当時の理事長はこう話す。「みんな同じ穴のむじな。いずれは売却したいという話を聞きつけ、金の臭いを嗅ぎ取った連中が群がってきた。自分は『3億円』とは言っていない」
 理事長ポストを利用した社福売買は広がっている。インターネットでは、社福の運営権の取得方法を紹介するホームページもある。
 関東地方の行政書士は売買に十数回立ち会った。今年、首都圏の社福が数億円で売られた際には買い手の代理人として現金を渡し、引きかえに理事全員から辞任届を受け取った。仲介料は売買価格の5%だ。
 「社福は介護報酬などの収入があり、財産がたまる。施設建設には補助金が出て、税金もかからない。買い手は多い」と言う。(西井泰之、北川慧一)
http://www.asahi.com/articles/ASG5J6SZ2G5JULFA03M.html