2012年4月1日日曜日

DVを受ける女性が逃げ出さない理由



◇DVはお互いに境界線が引けていないカップリングでしか起こりえない








■自分の気持ちをコントロールできないのは誰の責任??



DVを受けた女性が、怒っている男性から「俺を怒らせる気か!!」と
責任転嫁され、暴力を振るわれる、という構造。



「俺を怒らせる気か!」という言葉は
たいへん興味深い言葉だ。
なぜなら「怒らせる」という表現は
「相手が自分の気持ちをコントロールしている」と言っているわけです。



実際には、同じ状況で
全ての人が怒るわけではない。
怒っているのは男性の感情コントロール力の欠如なのであって
女性側が外側から刺激を与えたのは事実だとしても
それを”大人の男性”として処理できない「男性側の問題」


恋人や妻には何の責任もない。











■相手との境界線が引けない

この「怒らせる気か!!」という客観的には理不尽な関係性も
DV被害の女性は「私が悪かった、私が怒らせた…」と受け取ってしまう。
本来は相手の問題であるはずのものを
自分の問題として引き受けさせられる。

ここに、支配と支配される側というカップリングが
成立してしまう。

健康的に自他の境界線が引けている女性であれば、
「怒っているのは、あなたの勝手でしょ!」と言って、
暴力的な男性のもとから離れていけば良いだけの事。

健康的な人間関係を気づいている人と言うのは
相手と自分との間にちゃんと境界線をひけている。

境界線を引くと言うのは
「これは自分側の問題なのか、相手側の問題なのか」を
考えるということです。










◇まとめとして




■社会的立場はそこそこあっても3歳児の男性たち


心理学的に考えると
家庭で暴力を振るう男性は
だだをこねる幼児と似たようなものですが
大人で経済的な力も握っているために
妻を怯えさせて支配してしまうのです。
社会が、これまでは男なら手が出ても仕方がないといった
価値観で男性の暴力を容認してきたという問題もあります。

それにしても、
なぜ男性はそれほど「男らしさ」にこだわるのでしょうか。
女性は「女性らしさ」を社会から押し付けられている、と
感じている場合が多いのに
男性は自分から「男らしさ」を求め、
その理想に従っている場合が多いように見える。


男性たちが家庭環境の中で自分をコントロールすることを学んでいないのは
事実でストレスとの付き合い方は苦手なようです。
だから、何かストレスがかかると誰かに転嫁したり、
うつになってしまったり、
自分を責めて自己破壊的な(薬物への依存や自殺のような)行動を取ったり
してしまうことが多いのでしょう。

大人になったとき、ストレスにさらされたとき、
人間関係に悩んだとき、
仕事がうまくいかなくなったとき、そんなときにどう行動するかという基礎は
その人の育つ過程・環境の中で育まれます。
たとえば
母親だけが子育てに関わっていて母子が密着して生活することになる核家族は
思春期以降の男性にとってアイデンティティを確立することが
難しい家族の形なのかもしれません。